全身性エリテマトーデス

診断基準(ACR/EULAR による分類基準(2019年) 難病申請)

エントリー基準: 抗核抗体80倍以上(HEp-2細胞を用いるか、同等の検査)

臨床所見
① 全身症状:38.3℃をこえる発熱(2)
② 皮膚粘膜:非瘢痕性脱毛(2)、口腔内潰瘍(2)、亜急性皮膚ループスや円板状ループス(4)、急性皮膚ループス(蝶形紅斑や斑状丘疹状丘疹)(6)
③ 筋骨格:関節症状(2個以上の滑膜炎もしくは関節圧痛と30分以上の朝のこわばり)(6)
④ 精神神経:せん妄(2)、精神障害(3)、痙攣(5)
⑤ 漿膜:胸水または心嚢液(5)、急性心外膜炎(6)
⑥ 血液所見:4000/mm3未満の白血球減少(3)、10万/mm3未満の血小板減少(4)、自己免疫性溶血(4) 
⑦ 腎臓:0.5g/日以上の尿蛋白(4)、腎生検でクラスIIまたはVのループス腎炎(8)、クラスIIIまたはIVのループス腎炎(10)

免疫所見
特異抗体: 抗dsDNA抗体または抗Sm抗体(6)
補体:C3またはC4の低下(3)或いはC3及びC4の低下(4)
抗リン脂質抗体:抗カルジオリピン抗体抗β2GPI抗体またはループスアンチコアグラント陽性を認める(2)

<診断のカテゴリー>
Definite: エントリー基準を満たし、臨床所見と免疫所見の陽性項目の点数の合計が10点以上の場合
※SLEよりもそれらしい解釈があれば、その項目の点数は計上しない。
同じ項目内で複数の小項目が陽性の場合は最も高い点数のみを加算する。
臨床所見は経過中に1項目以上の陽性化が必要である。
各項目は同時期に出現する必要はなく、経過中に1回出現すれば当該項目を加算する。

治療

GCパルス療法,HCQ,免疫抑制薬,生物学的製剤を早期から併用し,GCの使用を必要最低限に留め,速やかに減量・中止を目指す.
1) 短期間,中止を目指して最小用量まで減量
2) 初期GCをより低用量(PSL 20~25 mg/日)にした際
3) 高度なネフローゼ症候群の場合は,治療開始時にGCパルス療法の実施や高用量GC(PSL 1.0 mg/kg/日を上限)を投与
4) CsA:MMF,IVCY,TACの使用が困難な場合
[MMFとTACの併用療法] または[MMFとVCSの併用療法]:高度なネフローゼ症候群の場合
[MMFまたはIVCY] と BLMの併用療法:再発が懸念される場合
5)寛解導入療法として併用した場合は一定期間継続
6) カプラシズマブを推奨
7)TPO-RA,脾摘も選択肢
8)疾患活動性を伴う,あるいはPAHが早期の場合,IVCYを優先する.リスク評価に従って肺血管拡張薬も併用する.
9)AZA,TAC,MMF,MTX
※本アルゴリズムについては各薬剤の添付文書を参照のうえ,リスクとベネフィットのバランスを考えて使用すること.
略語
ACR:米国リウマチ学会,AIHA:自己免疫性溶血性貧血,ANI:アニフロルマブ,AZA:アザチオプリン,BEL:ベリムマブ,CKD:慢性腎臓病,CsA:シクロスポリン,EULAR:欧州リウマチ学会,GC:グルココルチコイド,HCQ:ヒドロキシクロロキン,ILD:間質性肺疾患,IR:効果不十分,ITP:免疫性血小板減少症,IVCY:シクロホスファミド間欠静注療法,IVIG:高用量免疫グロブリン静注療法,MMF:ミコフェノール酸モフェチル,MTX:メトトレキサート,NSAIDs:非ステロイド性抗炎症薬,NPSLE:神経精神ループス,PAH:肺動脈性肺高血圧症,PCP:ニューモシスチス肺炎,PSL:プレドニゾロン,RAAS:レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系,RTX:リツキシマブ,SGLT2:Sodium-Glucose Cotransporter 2,SLE:全身性エリテマトーデス,SLICC:systemic lupus international collaborating clinics,TAC:タクロリムス,TMA:血栓性微小血管症,TTP:血栓性血小板減少性紫斑病,TPO-RA:トロンボポエチン受容体作動薬,VCS:ボクロスポリン